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<質問をする前に>
自分のことは自分で考えましょう。
人に頼らずに自分で調べましょう。

Q:数年前にフリーの翻訳者として独立しましたが、厳しい現実を目の前にして失望することばかりです。仕事が少なすぎて、このままでは食べていけない感じることもたびたびです。どうすればプロの翻訳者として安定した暮らしができるのか、ぜひ一度お会いしてアドバイスをいただきたいのですが。

A:たいへん難しい問題です。
 
今の中国語翻訳・通訳市場は供給過多です。仕事はそれほど多くないのに、仕事をしたい人の人数は非常に多い状況です。仕事をコンスタントに受注するのは並大抵のことではありません。最近では警察や裁判所でも「中国語は間に合っている」と登録を断られるそうです。エージェントに登録しても、以前から仕事をしている人がいれば、なかなか新人にはまわってきません。登録するなら今まで中国語の実績があまりないエージェントに登録するほうがチャンスはありそうですが、そういう業者は往々にして翻訳料金が低いようです。
 もし生活がかかっているなら、無理をしないでください。早いうちに何か固定した収入が得られる仕事を見つけるべきです。アルバイトでも構いません。中国語を教えるとか、翻訳会社でチェッカーをするとか、翻訳・通訳のクラスがある学校で事務の仕事をするとか、そういうことができれば、あるは次の仕事につながるコネを得られるかもしれません。せっかくフリーになったのに、また時間を拘束される仕事はしたくないかもしれませんが、率直に申し上げれば、フリーになる準備ができる前にフリーになってしまったのではないかと思います。とにかく、フリーランスで働くのは厳しいです。
お話を伺うことについては、やぶさかではありませんが、もしもエージェントへの紹介や仕事を回してもらうことを期待しているのでしたら、申し訳ありませんが、お役には立てません。仕事を世話するのは、基本的に自分が半年以上教えたことがあり、この人なら大丈夫という確信がある場合に限りますので、あしからずご了承下さい。


Q:社内通訳をしていますが、専門的な技術用語がどうしても憶えられません。どうすればよいでしょうか。

A:
私が公開してる「対訳用語集」を見て、これらの用語を全て暗記して仕事に臨んでいると誤解しているのではないでしょうか。
 
そんなことはないんですよ。もちろん、頻繁に出てくる専門用語は仕事の準備段階で憶えてしまうことも多いのですが、生まれて初めて耳にして、しかも通訳業務全般の中で一回か二回しか出てこないような単語や固有名詞は用語対訳リストを見ながら通訳しています。ここのサイトで公開している対訳用語集は、仕事中は命綱のように握って離さなかった単語リストなんです。ただ、通訳の現場では自分の作った用語集だけでなく、他の資料や発言原稿もあるし、別に専門用語を全部まる暗記して行く必要もないでしょう。メールをくれた方の業務形態がわからないので、何とも言えませんけど。
それに、仕事中はハイテンションになっているせいか、なぜか普段ならできないこともできてしまうようです。そんなに用語リストばかり見て仕事をするわけにもいかないんで、その時だけは難解な用語も口をついて出てきます。まあ、仕事が終わればほとんど忘れてしまうんですけどね。


(以下はでんでんさんより)
座って、手元に資料が置ける状態での通訳の場合、「超」専門用語や団体名などの固有名詞の訳は無理に覚えようとはせず、見えるところに一覧表を置いておきます。
それ以外の、もっと「普通の」専門用語はもちろん覚えるようにしますが、単語だけ覚えようとしてもダメですね。内容が理解できていれば自然に単語も頭に入るし、万が一忘れても説明的な訳で切りぬけられますから、やはり内容を頭に入れることを優先させます。


(以下はあちさんより)
確かに難しいですね…「単語リストを作って片方を紙で隠しながら何度も全部いえるようになるまで読み上げる」なんてこと言っても「そんなものはとっくにやってます!」と言われそうですしね。
そうやってもどうしても覚えられないものだけを紙に書いて横に置いてその言葉が出るたびに見ながら訳すとか…私は覚えても甲斐のない(?)組織名やよく似た単語(例:監査用語の認定と認証、保険用語の復活と復帰など)はそうやってます。20代前半の頃、化学プラントの工場見学の仕事で私はどうしても覚えられない物質の名前を手の甲や腕に書いてました。
仕事が終わってからその日の夜にもう一度その日の単語リストを一通り見るようにするとわりと定着するように思います。(なかなか実行できませんが。)
訓練とかデモとか、物の見られる機会がありそうな仕事は率先して受けるとか、ITだったらいきなり商談の仕事をするよりセミナーの仕事を優先するとか?!
あと、ある程度回を重ねてくると分野が一見違っていてもいろいろとつながりが見えてきたりして、なんかこう、テトリスでブロックが揃って全部ザーッと落ちていくような気がすることがありますね。初めのうちは苦しくてもだんだん楽になっていくと信じてやるしかないのかな?!
なんだかあまり決定的なことは思いつきませんね…



Q:通訳や翻訳はアルバイト的にできますか。


A:できるとも言えるし、できないとも言えます。
  「本業は別に持って副業として行いたい」ということなら可能です。
 私も現在は通訳・翻訳を副業として行っています。大学で教えながら通訳や翻訳をしている人は沢山いますし、本業が忙しい時には仕事を受けなければ良いわけですから問題ありません。
 むしろ、通訳・翻訳を本業とするのは簡単ではないと思います。社内通訳者・翻訳者の求人は、中国語では非常に少ないし、フリーランスの通訳者で「本業」と言えるほどの年収を得るようになるにはかなりの努力が必要です。生活費を稼ぐ必要がある人は通訳・翻訳だけでやっていこうとするよりも、ある程度の収入源を確保しておくほうが良いと思います。
 ただ、大学の教員の場合は割合に時間的余裕がありますが、普通の会社員がアルバイトに通訳をするのは、あまり簡単ではないはずです。平日に毎日八時間勤務していたら、いつ通訳のアルバイトができるのでしょうか(休日に旅行社の通訳ガイド、早朝や夜中に放送通訳?)。翻訳であれば、毎日定時に退社できて、家事をする必要のない人だったら、夜間や休日を利用できるでしょう。専業主婦の場合は昼間の空き時間を利用して翻訳をするというケースもあります。

 「仕事に重い責任を持たず、気軽にやりたい」ということなら、ほぼ不可能です。
 アルバイト通訳であっても、クライアントを満足させるだけの結果を出すには高い言語能力とトピックに関する知識が要求されます。それだけのパフォーマンスを見せるには、事前準備がかかせませんから、たまたま時間の空いたときに片手間に出かけていくような気持ちでは無理です(質の低い通訳でいい加減にお茶を濁すのであれば、この市場に参入しないでいただきたいと思います)。
 仕事や家事の合間に翻訳でもして小遣いを稼ぎたいという人も少なくありませんが、私が受けている仕事を見ても、内容がますます専門化している現在、辞書を何十冊か持っている程度では全く話になりませんし、インターネット検索がいつでも行えるような環境が必要です。そうなると書籍代や通信費などの元手もかかってきます。
  翻訳が軽い気持ちではできないもう一つの理由は、納期の厳しさです。夕方になってからFAXやメールで仕事が舞い込み、納期が翌日の午前中というような場合、徹夜になることもありますから、気軽にのんびりと趣味的にできる仕事ではありません。
  但し、幸いにも難度が低く、納期までの時間に余裕がある仕事に恵まれた場合にはこの限りではありませんが(そういう仕事があれば私に紹介してください)。
Q:中国語を勉強し始めて一年です。通訳になりたいと思っていますが、どうすれば通訳者になれるのか教えてください。

A:今はとにかく中国語をマスターすることだけを考えていれば良いと思います。
 もう少し勉強して日常会話がある程度できるようになったらしばらく留学することをお勧めします。その後、中国語検定二級、TECC800点程度、通訳ガイド試験合格くらいまで勉強してから、通訳者養成スクールに通ってください。また、幅広い知識と豊かな日本語の表現力、そして理解力を身に付けるために、難しい内容の書籍を含むいろいろな分野の本を読んでおくことをお勧めします。通訳者養成スクールに入学したら、予習復習を真面目にやって、学校や講師の目に止まるようにしましょう。よく勉強して通訳スクールの最上級クラスに進級できたら、そろそろ仕事を紹介してくれる人が出てくるかもしれません。自分でも公募記事などをこまめにチェックしてエージェントに登録しておきます。学校や講師から紹介された仕事は絶対に失敗しないように十分すぎるほど予習をして仕事に臨んでください。もしかしたらフリーランスではなく、インハウス通訳として正社員に採用されることもあるかもしれないし、あるいは嘱託社員扱いで安定した収入を得られる働き方ができるかもしれません。こうして徐々に仕事が軌道に乗ってくれば、あなたも通訳者です。まともな通訳者でい続けるためには、毎回の仕事がルーティーンに陥らないよう、常に初心を忘れずベストを尽くして業務を遂行することが重要です。フリーの通訳は決して楽ではないし、間違っても大儲けはできません。社内通訳者には出世のチャンスも多くありません。
それでも良ければ、どうぞ通訳者を目指してがんばってください。
Q:通訳ガイド試験を受けたいと思っています。関連情報などアドバイスをお願いします。

A:当サイトのリンク集をご覧ください。
「中国語学習」のリストに「試験」の項目があります。受験体験記など参考になるサイトも見られます。
Q:通訳者になるためには大学に行った方がいいのでしょうか。

A:
大学には行ったほうがいいです。

 いくら実力本位と言っても、高卒や専門学校卒では履歴書の段階でエージェントの登録に採用してもらえない可能性があるし、社内通訳者になろうと思っても採用条件を満たせないことが多いと思います。

Q:中国語歴8年余り、四年前に一年留学しました。二年前に中検2級合格。
プロの通訳者になるには努力だけでなく素質があるかないかが大きな問題だと思いますが、それに加え、果たして年齢も関係があるのでしょうか?通訳という仕事は精神的にも体力的にも相当厳しいようですね。となるとある程度年齢制限も出てくるのでしょうか?私はすでに30代なのですが、今本格的に通訳や翻訳の勉強を始めるべきか否か迷っています。
通訳者の年齢についてどうお考えでしょうか?

:すでにリタイアする年でもなければ別に関係ありません。三十代なら問題なしです。
いま中国語検定二級なら、通訳スクールの基礎科くらいでしょう。そうすると、しっかり勉強して順調にいけば、三年か四年でまあまあ仕事が受けられるレベルになると思います。

投資:
授業料、辞書・参考書、通学の交通費もろもろで150万円もあればいいでしょう。これは今すぐに通訳スクールに入学した場合で、翻訳だけ、あるいは中国語学校でもうちょっとやる、ということなら、ここまではかかりません。もちろん、留学したり個人指導を頼めば、もっとお金をかけることもできます。

仕事と年齢:
実力があれば、年齢は仕事をする上で特に問題にならないはずですが、デビューしたての時は見本市のブース付きのような若い子が好まれる種類の仕事が多いので、クライアントがどう考えるかにもよります。翻訳の場合は年齢は全く関係ないと思います。フリーランスなら年齢制限も定年もないから、いつ始めてもいいし、いつ辞めてもいいわけです。ただ、インハウスでやろうと思っているなら、三十五歳くらいまでに決めないと難しいんじゃないでしょうか。
 また、「仕事ができる実力」が身に付いた時に市場が冷え込んでいれば、それはそれで仕事がないわけだから、せっかくの投資を回収できないリスクは常にあります。

勉強と年齢:
 しかし、質問の趣旨はそういう事でなくて、通訳や翻訳の修行をするうえで年齢がネックにならないかということだと思うんですが、私はそれは完全に個人的な問題だと思います。二十代でもダメな人はダメだし、五十代でもやる人はやるし。三十歳ちかくなって、あるいは三十歳をこえてから勉強を始めてプロになった人は私の知り合いにもいます。まずは、年齢とは関係なく、やりたいならやる、迷っているならやめる、というように単純に考えればいいんじゃないでしょうか。

プロになる人:
 私の教えた人のなかでプロになって働いている人も多くいますが、「私は通訳に向いているでしょうか」とか「私にできるでしょうか」「この年でも大丈夫でしょうか」という質問をした人は一人もいません。逆に言うと、そういう疑問を抱いたままでは通訳の勉強はできないと思うんですよね。自信過剰と言うことではなくて、自分の現在のレベルは冷静に把握していながら、望んでいるレベルに達することができると知っていれば悩まないですむということだと思います。それに、誰かが何かをできるようになるかかどうかは、他人にはわかりません。今現在の状況で対応可能かどうかは言えても、これからのことはわからない。人は変わるものですから。

結論:
 人間って、疑いを持ったことって結局はできないですよ。私は父から「人は自分が思ったような者にしかなれない」って常に言われていましたから、特にマイナスの方向に考えることを警戒します。やっぱり、一度やると決めたことに対しては疑問を持たないようにしたほうがいいし、やる前から迷っているのは時間がもったいないですよ。
 ただ、通訳や翻訳をコンスタントに受注して仕事としてこなして、それなりの収入を得るのはかなり大変なことなので、プロになれると思っていないなら、趣味として勉強したらいいと思います。ただ、通訳の勉強は、趣味にするには苦しい修行だし、投資も大きいので、通訳スクールをお勧めするのは非常に気が引けます。できれば、ガイド試験と検定1級に受かるまでは、授業料の安い中国語学校の上級クラスで頑張って、そのあと通訳スクールの門を叩くことにしても遅くないと思います。どうせ、フリーランスの仕事レベルの通訳スキルを学ぶのは、どの通訳スクールでも一番上のクラスになってからですから。

Q:中国で3年間留学をしまして、留学を終え間2年間特に日本で中国語翻訳の経験が全くないまま、今の会社に翻訳の係(恐れ多くて翻訳者とはいえません・・・)として採用されました。 自分の実力のなさに悪戦苦闘している毎日です。そんなときこちらのサイトを発見!しかし、通訳者を目指す皆様、またはすでに通訳、翻訳の道でご活躍されている皆様のメールをみてまたまた自信をなくしてしまいました。皆様どのようなご経歴で翻訳者の道に入られるのでしょうか? 私は現在26歳ですでに結婚もしていますがずっと仕事はしていきたいと考えています。こんな境遇のものでも可能性があるのでしょうか? また学習法がいろいろありすぎてインターネットをみていたら目がくらくらしてきてしまいました。 そんなことでとりあえずメールをだしてみました。 

A:
あなたが通訳者を目指すうえで他人の経歴が何かの参考になるのでしょうか?
 
私がフリーランスの通訳者になったいきさつは下の方に書いてあります。私は会社に就職したときはすでに既婚者だったし、通訳スクールに通っている方の中には小さいお子さんがいる方も多いし、既婚か未婚かは翻訳通訳の仕事の障碍にはならないでしょう。学習方法については、まず何でもいいからとりあえずやってみてからでないと自分に合っているかどうか分からないと思います。通信講座で勉強するなら、私が企画した中級中国語通信講座はいかがですか?日本語の訳文を添削してもらえるので翻訳の勉強になりますよ。もし無料のほうがよければ日華翻訳雑誌の「翻訳研究会」に参加してはどうでしょうか?皆で翻訳について話し合えるので楽しいですよ。それぞれのURLは下記です。


通信講座:http://www.tsa-co.com/study/index.htm
翻訳研究会:http://member.nifty.ne.jp/NAGATA/honyaku1.htm
Q:永田さんに中国語のプライベート・レッスンを頼むとすると、どういう条件で引き受けてもらえるのでしょうか? (2000/3/30)

A:その件については考えたことがなかったのですが、首都圏でグループ・レッスンへの出張教授ならやってもいいと思います。条件はたぶん、下記のような感じになります。

・通訳基礎訓練、中検三級以上の方の中国語学習、実務翻訳練習などの内容
・1グループ10名以下
・教室は受講者が用意(会社の会議室、公民館、自宅など)
・講師への謝礼は時間給¥8,000
・1レッスン2時間程度

【モデル・ケース】
 都内の会社。会議室で週一回、夜間2時間、一ヶ月4回(第五週は休み)。
 (申し訳ありませんが、早朝レッスンは勘弁して下さい。)
 講師への謝礼金は月64,000円。交通費は自弁で結構です。
 受講者10名なら、一人当たりの月謝は6,400円。5人なら12,800円。

人数が集まって実際に教室を作れることになったら正式にご依頼ください。

Q:永田さんがどうやって中国語の通訳者になったか教えてください。(2000/3/10)

A:
それについては、今までに何度も聞かれているのですが、私の経験や経歴について話したところで参考になるかどうか疑問なんです。周囲の環境とか、それぞれの性格とか、動機付けなどによって変わってくるし、私の経験してきたことを知ったからと言って同じ道を歩くわけでもないと思います。でも隠し立てすることもないので簡単に紹介します。

 大学三年の後期からダブル・スクールで中国語の専門学校に行って、卒業後香港に留学。帰国後、大学時代に通っていた中国語専門学校の先生に紹介されて総合商社に就職。就職活動もせず、正式の試験も受けずに横入りしたコネ就職だった。中国貿易部門に配属され、企業内通訳・翻訳者となって六年間勤務。会社勤めのかたわら通訳の勉強。この六年間は仕事で否応なく通訳や翻訳の実践をする一方で通訳スクールの勉強もしたので、実力が飛躍的に伸びたと思う。その後、中国貿易がやや下火になり、少し会社の仕事にも厭きてきた頃に通訳スクールの先生に「プロで食っていける」と言われた。初めて国際会議の同時通訳の仕事に連れていってもらって二人の先生にはさまれて同時通訳を経験。このときはまだ商社をやめていなかったので有給休暇を取って会議通訳をした。会議通訳がすごく面白かったので、思い切って会社をやめてフリーの通訳者になった。会社を辞めたら通訳学校で講師にならないかと言われて引き受けた。フリーランスになってからは元の会社、通訳学校の先生、友人の紹介で仕事が次々に入るようになった。しばらく夢中で働いて、少し立ち止まって通訳の仕事を振り返ってみたいと思うようになった。そのとき折良く、通訳スクール経由で台湾の大学院で中国語から日本語への通訳を教える人を捜しているという話を聞いて、大学院での通訳教育とはどういうものか非常に興味を持ったので応募して採用された。台湾では大学院の講師としての仕事以外に、会議通訳の仕事も研究科経由で受けることができたので会議通訳の経験も増えた。で、任期を終えて帰国してまた元通りにフリーの通訳者として活動することになった。通訳者としての経緯は以上です。その後、自分の勉強のために大学院に進んで修士・博士と五年間も学校に通ってましたので、仕事半分勉強半分という感じでやってきて、2000年4月からは以前から翻訳でお世話になっている先生の紹介で大学の先生もやっています。このように考えてくると、私が何か仕事を得たり新しい環境に入ったりする時には、個人の努力と言うよりはむしろ、上の人に引き立てられて紹介していただくという有り難い成り行きであるように思います。
Q:永田様のHPに設けられている「対訳用語集」の「特許用語」を紹介されたコーナーを拝見いたしました。その感想を以下に箇条書きにて書いておきます。

1.特許用語というものの、技術用語も多数含まれている。特許用語に的を絞ったほうが良いかも知れません。
2.中国大陸の語彙はかなり充実していますが、一方台湾の特許用語に関しては不十分だと思います。
3.空欄になっている理由を少なくとも「不明」と「大陸と同じ」に二種類に区別した方が良いかもしれません。

ご希望でしたら、特に特許用語のコーナーのついてお手伝いしても構いません。その他の技術に関するコーナーについてはまだ拝見していませんが、同様にお手伝いできるかもしれません。これは互いに日−中翻訳に携わっているものとして、相互に情報交換ができるようになることを目的としていることに外なりません。如何なものでしょうか。(2000/3/1)


A:
 私が公開している対訳用語集は全て通訳業務のために作成したものです。特定の分野の辞書を作るという目的はなく、その時々の通訳の仕事で必要になったものを未整理のまま並べているだけですので、タイトルから言えば偏りがあると思います。例えば、特許関係では、私が通訳を担当したのは一ヶ月以上にわたる研修のうちの五日間だけで、その時にたまたま技術関係の講義(メーカーの特許部門の担当者が来た場合とか)があるとすると、そういう語彙に偏ってしまいます。大陸関係の用語は別の通訳者が作成したものです。
 日華翻訳雑誌の対訳用語集は専門家の目から見れば不足があるかも知れません。何しろ中国語通訳者は自分の専門分野はなく、毎回違う内容の仕事をしなければなりませんので、どの分野においても永遠に素人で、あっちこっちを少しずつかじるだけです。

 実は、このような申し出が来ることを期待して、つまり、他の通訳者や翻訳者の協力を得て用語集を少しずつ完全なものにしたいという期待があるからこそ不完全なものでも公開しているのですが、これまで何も反響がありませんでした。

 お暇な折りにでも気がついた点や追加すべき訳語をまとめて送っていただけると有り難く存じます。私もなかなか用語集のメンテナンスには手が回らないのですが(何しろ、すでに終わった仕事で、今後こういう内容の仕事が来ることはほぼないだろうというものばかりです)、せっかくの機会ですので、ご協力いただければ少しずつでも完全なものにしていきたいと思います。

(しかし、この方からはその後何も連絡がきていませんので、用語集のメンテもしていません。あしからず。)

Q:通訳スクールの講師をしているそうですが、その学校はどこですか?(2000/3/15)

A:私が通訳のクラスを持っているのはISS通訳研修センター本科です。
 ISSのホームページは下記をご参照ください。
 http://www.issnet.co.jp/indexj.html
 お問い合わせはISS東京校日中通訳コースまでお願いします。
 電話03-3265-7103(担当:上野)
Q:エージェントの登録って、どうやるんですか? 私は日中バイリンガルで、つい最近日本に帰ってきたばかりです。どこかの会社に紹介してもらえませんか?(2000/3/20)

A:翻訳・通訳エージェントの業務委託募集広告は通訳事典、通訳・翻訳ジャーナル、翻訳事典等に掲載されているので、ご参照ください。
 また中国語専門エージェント朋友舎がE-mailでの応募を受け付けているようです。
 詳細は下記の朋友舎のHPを参照してください。
 http://homepage1.nifty.com/hoyusha/

 すでに業務経験があって、自分の知っている人しかエージェントに紹介できません。全く知らない人からいきなりメールで「仕事を紹介してくれ」と言われても困ります。

Q:ちょっとお伺いしたいのですが、中国語でトーチツェとはどういう意味ですか?お分かりになられるのであれば、お手数ですが返信してください。
A:
たぶん「多謝」(広東語の「ありがとう」)じゃないですか。


* ご注意! *  このようなご質問はなるべくお控えください。

 ここには一例しか出しませんでしたが、上記のメールは非常に典型的なもので、これまで何通も訳語を尋ねるメールを受け取っています。
 メッセージ送信の画面にも注意事項を書いてありますが、いまだに、こうしたメールがあとをたちません。

 大多数は「**の訳語(意味)を教えてください。よろしくお願いします。」と書いただけのものです。せめて、どういう場面で使われたのか、その単語の意味を知りたい理由(必要性)は何か、自分ではどんな方法でどこまで調べたのか、等々、受け取った相手が読んだときに少しでも興味、好感、同情心が持てるような工夫をしてください。今後、訳語の問い合わせについては、私が読んで面白く感じるようなメールに対してのみ、お返事しますので、どうか私を面白がらせるような文章を工夫してみてください。

しかし、他人に聞く前に、まず自分で調べましょう!

 質問を寄せられたご本人には悪気はなく、ただ「意味が知りたい」という単純な動機かもしれません。しかし、正直に告白すると、こういう訳語問い合わせメールに対して、私は大変よくない印象を受けています。自分の勉強のためなら、あるいは自分の仕事のためなら、調べる手間を惜しんではいけません。いつでも誰かが助けてくれることなどあり得ないのですから。

 以上、何とぞ悪しからずご了承ください。

Q: はじめまして。私は台湾の語学学校で日本語教師をしている者です。先日ホームページを拝見いたしまして、通訳に関していくつかお聞きしたいことがあり、メールさせていただきました。

 今月から私の学校のプライベートクラスで勉強することになった学生が、通訳の練習をしたいのだそうです。その人は台湾にある日本の大手企業で秘書をしており、社長の会議に同席して通訳したり、日本人のお客様相手に通訳したりするそうです。仕事を初めてまだ一か月だそうです。わたしは日本語教師であり、通訳の訓練は受けていないので、授業内では中国語を日本語に訳させて、日本語らしい言い方の練習をしようと思っています。先週、第一回目の授業をしました。一回目の授業を終えての問題点が以下のとおりです。

(1) 通訳の際、敬語は重要なのか。日本人の会社員が取引先の人と話すときのようにへりくだった話し方をするべきなのか。

(2) 今回はプリントで中国語の会話を文字で追って訳させたが、やはりどうしても中国語の言い方に偏る傾向がある。今後は中国語のテープを聞かせて訳させる方法を考えているが、文字を追って訳していく練習も必要なのか。

(3) その学生は日本の大学の商学部を卒業しているが、会社で使う工業関係の用語には弱いらしい。中国語と日本語の工業用語の資料はどうやって探したらいいのか。

お忙しいとは存じますが、お返事をいただけましたら幸いです。どうかよろしくお願い致します。ホームページを拝見いたしましたときも、通訳の理念や訓練方法、教育方法など大変参考になりました。教育方法を掲載しているホームページも貴重ですし、何より中国語関連であったことが私には嬉しい限りです。これからもいろいろ勉強させていただきたく思っています。よろしくお願い致します。

A:はじめまして。明日から出張なので、手短にお答えします。

実は、私はちょうど逆の立場で、中国語母語話者に日本語を教えなければならなくなりました。ちょうど困っていたところです。最初は、通訳の授業をして欲しいということだったのですが、途中から「通訳や翻訳よりむしろ日本語の能力を磨きたい」ということになってしまいました。
そんなわけで、私のほうもいろいろとアドバイスしていただくことが出てくるかもしれませんので、今後ともよろしくお願いいたします。
さて、ご質問の件にうつります。

>(1) 通訳の際、敬語は重要なのか。日本人の会社員が取引先の人と話すときのよ
>うにへりくだった話し方をするべきなのか。

これは重要とも言えるし、重要ではないともいえます。普通の商談などの場合は「です・ます」の敬体で話すことができれば、特に問題ないと思います。むしろ敬語を使おうとして間違えるほうが問題でしょう。但し、正式の式辞挨拶などの場面できちんとした敬語を使うことができないと、印象は非常に悪くなります。そういった通訳をしなければならない立場にある人かどうか、あるいはすでにかなり高い能力があり、さらに丁寧な表現を身につけたいと思っているならば、敬語の指導に力をいれることにも意味があると考えます。

>(2) 今回はプリントで中国語の会話を文字で追って訳させたが、やはりどうして
>も中国語の言い方に偏る傾向がある。今後は中国語のテープを聞かせて訳させる
>方法を考えているが、文字を追って訳していく練習も必要なのか。

それはいわゆる「サイト・トランスレーション」と呼ばれる通訳訓練手法のひとつですが、確かに文字を目で追って訳すと、どうしても中国語の語彙をそのままの形で訳出に反映させてしまう傾向はあります。この練習にも意味を持たせることは可能で、例えば、文面に出ている漢字語を使用することを禁じ手として訳させてみたらいかがでしょう。つまり、サイト・トランスレーションと同時に「言い換え」(パラフレーズ)も同時に練習させ、それによって言語の表層構造ではなく深層構造を意識させることが可能です。もちろん、テープから訳させる練習は通訳訓練である限り、絶対に必要です。できればビデオで練習するとよいでしょう。

>(3) その学生は日本の大学の商学部を卒業しているが、会社で使う工業関係の用
>語には弱いらしい。中国語と日本語の工業用語の資料はどうやって探したらいい
>のか。

これは多くの辞書がすでに出ています。インターネットで調べることも可能です。
調査の方法に関しては、下記のサイトに詳しく書いていますので参考になさってください。
http://member.nifty.ne.jp/NAGATA/rsch.htm

Q: 私は、現在台北の師範大で中国語を勉強中です。私の場合、勉強をはじめたのは香港で、発音は北京系のピンイン、簡体字で6ヶ月勉強し、その後台北で継続しているのでいまだに繁体字、ぼぽもふぉにはなじめずにいます。
 発音についても、台湾の人は変な発音でもけっこうわかってくれてしまうのでどこが問題なのか、何を重点的に勉強すべきなのか、よくわからずちょっとこまっています。(同学ではすっかり 私は の woshiをwosiと発音して、正しいと思い込んでいるひともたくさんいますが、老師はまったく訂正しません。)
 せっかく中国語環境にいるのだから、うまく利用して勉強したいとおもっているのですが、日本に帰ったらどんなことが得難いことなのか、わからなくなってしまっているので今一つ能率的にこの環境を利用できないでいるような気もしていたのでこちらのHPをいろいろ参考にさせていただいて勉強をつづけていきたいとおもっております。(日本でなかなかできない勉強というと、やっぱりしゃべる練習の機会を多くもつことなんでしょうね。。。。
 個人レッスンをしているのですが、何を重点的にやればいいのか、ときどきわからなくなってしまいます。)いまさら、もう通訳にはなれるかどうかわかりませんが、(やっぱり若い方がいいんでしょうね?)こちらに住んでいる限り、勉強は続けて行きたいとおもっております。(実は英語の通訳を目指したこともあったので、通訳という仕事にあこがれているのです)。

A: いま、日本では台湾向けの仕事がどんどん増えてきているのに、日本の中国語教育はいまだに中国大陸、北京一辺倒です。私は台北の輔仁大学にいたことがあり、台湾の国語にも対応できる通訳者ということで仕事上もけっこう有利な部分が多いのです。

 台湾だって、アナウンサーなんかはすごくキレイな中国語を喋ってるじゃないですか。少しぐらい発音の問題があっても、それが日本人特有のクセで相手に通じないという事でもなければ、特に気にすることもないと思います。
 発音のズレよりも、却って声調が不正確だと困るみたいですよ。

Q:出来れば翻訳関係の勉強をしたいと思っているのですが、自分が現在どれくらいのレベルなのかわからずに四苦八苦しているのが現状です。TVや通信講座のテキストなどものぞきましたが、帯に短したすきに長しという・・・このHPにもしレベル測定のような内容のものがあれば、と思いました。

A:翻訳のレベルは、測定の方法が難しいと思います。語学力の問題なら、語彙と文法のテストで比較的簡単に判定できると思いますが、翻訳力というのは言語知識以外の要素が非常に大きいのです。翻訳を、理解と再現の二段階に分けて考えて見ただけでも理解力と表現力の両方を測らなければなりません。理解力には、語学力・原文の属する文化や社会に関する知識・作者に関する知識・その作品の位置づけを把握するための知識・豊かな想像力などなど、ちょっと考えてみただけで問題になることが山ほどあります。表現力をテストするのはもっと難しいですよね。訳者の語感の問題、文章力の問題になってくるから。たしか、バベルという出版社が『翻訳の世界』で懸賞付きの翻訳コンテストをやっていた(今もやっているかどうか不明)ので、それに応募すると読む力と書く力の両方を総合的に審査してくれました。もしまだ続いているようなら、応募してみてはいかがですか。佳作くらいに入ればかなり上級だと言えるでしょう。でも、翻訳研究会のメーリングリストに入って、皆さんと一緒に自分でも訳してみて、他の人の翻訳と比較して自己採点してみてはどうですか?
Q:「そうだ、ようだ、みたい、らしい」について、中国語との対訳の参考文献、書籍など、教えていただけないでしょうか。ありがとうございます。

A:「そうだ、ようだ、みたい、らしい」の使い方は外国人にとって非常に難しいようですね。私はそういう研究はしていないのでアドバイスはできませんが、こういう関係の本は、くろしお出版という出版社がたくさん出しているそうですよ。くろしお出版はどうも最近インターネットのホームページを開設したみたいですから、アクセスしてみてはいかがですか。アドレスは、いちばん下に書きました。それから、yanさんのメールの最後に「ありがとうございます」と書いてありますが、これをみて「あ、この人はどうも中国人らしいな」と思いました。これは日本語らしくない言い方で、中国語の言語習慣を日本語に持ち込んでしまっています。この下にある、日本人からもらったメールの最後を見てください。日本語では「よろしくお願いします」と書くのが普通です。
くろしお出版のサイト:  http://member.nifty.ne.jp/kurosio
メールアドレス   :       kvy04312@nifty.ne.jp
(ちょっと宣伝みたいですね)
Q:今回、技術翻訳の教材(或いは学校)のご相談をしたいと思い、メールを差し上げることにしました。私は、現在某半導体メーカーでセールスエンジニアをしています。中国語を学んでいることもあり、中国関連の通訳や技術文書・スペックの翻訳の依頼が絶えません。そこで、技術文書のライティング・テクニックをきちんと学びたいと考えています。しかし、中国語の技術文書の講座がなかなかみつかりません。ご相談に乗っていただければ幸いです。

A:技術翻訳は難しそうですね。ご苦労をお察しいたします。さて、私自身は中国語の技術文書の翻訳は行っていません。対訳用語集にいろいろと掲載しているので、誤解されたのかもしれませんが、用語集は全て通訳の仕事のために作成したもので、翻訳業務としては政治経済関連を主にやっています。また、技術翻訳に目標を絞った教材や講座は私の知る限りでは聞いたことがありません。でも最近はかなり詳しい辞書なども出ていますし、日中両国語の専門書籍や雑誌をつき合わせることで独学が可能だと思います。あまりお役に立てず、申し訳ありません。